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活動情報

2023.08.08

日本IT団体連盟は、マイナンバー制度・マイナンバーカード活用への期待を表明します

マイナンバー制度・マイナンバーカード活用への期待

日本 IT 団体連盟は、マイナンバー制度・マイナンバーカードのシステムトラブルについての冷静な議論と、

活用の一層の加速を求めます

 

令和5年8月8日

一般社団法人 日本IT団体連盟

会長 川邊 健太郎

現在、我が国の国民にはマイナンバーが割り振られ、各種行政サービスの合理化となりすまし等による不正使用の防止対策が急速に進化発展しております。しかし、新しい制度導入時にはトラブルが生じることも皆無ではなく、昨今では、所謂「マイナトラブル」に関しての報道が多くなされています。

その中には、「他人の情報が自分のマイナンバーに紐付けられた事例」など、極めて重大なものも報告されておりますが、他方、「システムの不具合」も少なからず生じております。前者のような事例は、情報入力者のミスによるヒューマンエラー、すなわち事務処理担当者の誤操作に起因することが多いので、そのような人為的事故と、後者の「システムの不具合で生じた事例」とは、明確に分類して分析し、それぞれ異なる次元で議論して対応策を講じていく必要があります。いずれも、各不具合の発生確率というような統計的な分析も併せて、原因を科学的に分析して的確な対策を講じるべきであるのは言うまでもありません。

明らかな人為的原因による事故に対しては、窓口の担当者の訓練も欠かせませんが、徹底的な仕様レベルの原因究明や分かりやすい運用フローの構築と、抜本的な再発防止策も求められます。他方で、発生したシステム不具合に対しては、速やかな対応と、PDCAサイクルによる継続的な改善が必要です。プログラム他電子機器や通信機器に、過度に無謬性を求めると、DX化が停滞する一因にもなりかねません。どうしても生じてしまうバグなどの不具合にできる限り速やかに改善を施すことが、DXを進める上で最も基本的な必須事項です。

我々国民の側にも、マイナンバー設定時にできることが少なからずあるかと存じます。例えば、「家庭や職場等で1台のパソコンやタブレットを利用し、個人情報の入力をする際は、その都度、必ず一度ログアウトした上で他者にデバイスを渡すこと」などは、今や社会人としての常識になっています。現代のIT・デジタル社会において注意すべきことを、ご家族ご友人の間、また職場内において的確に認識するために、国民レベルでの意識的・自発的な取り組みや、お互いの教化啓蒙が必要なことも少なからずあります。マイナンバーカードの健康保険証利用については、以前より横行している保険証不正利用の防止と、医療費の大幅な抑制とが期待できます。運用開始時の人為的な事故の発生数にシステムの初期不具合の発生数を加え、「数が多いから」という心象を理由に、本来の目的にまで懐疑的になるよう煽るべきではないのは当然のことです。

政府、地方公共団体、また委託を受けたシステム開発業者におかれては、透明性の高い情報の公開並びに徹底した原因解明・再発防止への取り組みを継続していただきたく存じます。国を挙げて啓発活動に取り組む必要があるのは言うまでもありません。

我々は常に未来を見据えて進化発展せねばなりません。少子化、高齢化、地方と都心との乖離など、我が国が抱える複雑な課題の解決・改善に向けたDX 推進は欠かせません。人口減少社会に合わせた、税金を無駄にすることのない、行政の在り方についての議論を進めるべきでしょう。マイナンバー制度は、我が国の行政コストを引き下げ、財政支出を減らすために極めて有効であり、デジタル化を進める上での必須事項です。

コロナ禍から徐々に正常化し、復興しようとしている今、まさに、マイナンバー制度とマイナンバーカードの迅速な普及と活用が必要であることに疑いはありません。一つ一つの問題に真摯に対応すると同時に、全体を的確に分析して将来にあるべき姿を明確に見据えながら改善し、より良き未来に向かうことが肝要です。

私共日本IT団体連盟は、マイナンバー制度・マイナンバーカードを活用したデジタル化推進に引き続き賛同します。

以上