活動情報
2021.10.04
日本IT団体連盟は、岸田文雄新政権への期待を表明します
岸田文雄新政権への期待
令和3年10月4日
一般社団法人 日本IT団体連盟
会長 川邊 健太郎
昨年来5波に及んだ新型コロナの感染拡大は、一旦終息にむかっています。その中、新型コロナとの闘いに明け暮れた菅政権から、岸田新政権へとバトンが渡されました。新政権におかれましては、いままで以上に新型コロナの感染拡大の阻止を重要視していただき、傷んだ経済の立て直しに早急に行動されるよう、期待いたします。
岸田新総理の特技は「人の話をしっかり聞くということ」との由、新政権におかれましては、より多くの国民の声に耳を傾けていただき、より多くの意見を政策に反映し、未来への希望につなげていただきたく存じます。
新政権におかれましては9月に発足したデジタル庁を徹底活用し、国民が身近に感じる行政サービスの改善を迅速に進めていただきたいと願います。9月3日にデジタル庁から結果が公表された「GIGAスクール構想についてのアンケート」には、全国から26万件をこえる声が寄せられました。デジタルツールは国民の声を聴くのに威力を発揮しますが、それだけではなく、専門知識を十全に駆使した分析と対策をお願いしたく存じます。デジタルの利便性には、他にもう一つ大きな特徴があります。的確に設計されたデータ収集と分析により、それまで目に見えなかったものを可視化できることがあります。国民の思いのすべてが、声になるとは限りませんし、むしろ声を出せない・出さない「サイレント・マジョリティ」のほうが多いかもしれません。しかし、データを可能な限り多面的に収集し分析することよって、認知のバイアス=思い込みをできる限り排除して、より高度な分析結果を得て、それをもとに行動すれば、人類はもっと前に進めるでしょう。旧来の「要求駆動型」や「イベント駆動型」よりも高度な立場でデータサイエンスの諸理論を活用するために、データドリブンの現状認識をより高度化するためにも、データ連携基盤や高速通信基盤などを含めた、高度な次世代デジタルインフラの構築を、早急に推進していただきたく存じます。
コロナ禍において私たちは、医療のデジタル化やテレワークの効率向上、公教育のeラーニング化などの諸問題に直面しています。健康の維持に国民が安心感を得て、経済活動をより活発にして、持続的に次世代に対して、さらに高度な教育を実施することは、最大かつ喫緊の課題であります。
一方、デジタル化の負の側面であるサイバー攻撃や、情報漏えい、子どもの健康被害、ネットいじめによる自殺等も発生しています。そのためにも、ネットワークインフラに加えて、サイバーセキュリティ確保やフィルタリングの実装、データの適切な保護・流通の仕組みの検討と対策も重要です。デジタル活用への国民の懸念を払拭し、安心、安全な社会の構築を早急に推進していただきたいと、切に願う次第であります。
私ども日本IT団体連盟は、デジタルによって国民生活をさらに向上するような、「成長と分配の好循環」を目指す新政権の政策を全面的に支援いたします。
以上